愛媛県西条市 丹原町田滝「黒瀧神社と黒滝神社奥の院」
まず田滝の集落の中にある黒瀧神社から。
場所はここ。
実はこの神社、正確には遥拝所です。
ご神体は田滝の山奥にある奥の院にお祀りされています。
ですからここには拝殿しかありません。
本殿はありません。
これはご神木と拝殿です。
ご神木は楠、銀杏、杉が屹立しています。
それ以外にも大きな桜の木が何本もあり、開花の季節にはここで春祭りが行われるそうです。
この拝殿の扁額の文字がとても美しくて見とれてしまいました。
この黒瀧神社に隣接する形で山之神神社が建っています。
おそらく黒瀧神社の境内社という扱いではないかと思います。
この山之神神社にはちゃんと本殿が存在します。
それでは本日のメイン、黒滝神社奥の院に向けて出発しましょう。
場所はここ。
黒瀧神社と山之神神社を過ぎると一つ目の橋に出ますが、ここは渡りません。
そのまま直進しましょう。
瀬戸内海サーキットと中之谷神社を過ぎると二つ目の橋に出ます。
ここは渡ります。
すると採石場に入りますが、臆せず堂々と通り抜けてください。
採石場を抜けると、道が分かれているところが一箇所ありますが、ここは右を。
するとインシステム産業(有)丹原農場の大きな看板が見えます。
もう後は一本道です。
ただ道路は良くないので、普通車では少し厳しいかも。
やがて登山口に着きます。
採石場を過ぎてからおよそ5分ほどでしょうか。
駐車スペースもあります。
杖がたくさん置いてあります。
ちなみに自分は山用の特別な杖を用意しています。
それはこちら。
これは手斧の刃先を長柄に付けたものです。
杖になるのはもちろん、藪をこぐ時にはなぎ払えますし、もし万一の時には武器にもなります。
そして特に有用なのが急斜面。
ご覧のように木に引っ掛けることでロープや鎖の代わりになります。
これがとても助かるんですよ。
話しが脱線しましたので戻りましょう。
登り口はこんな感じ。
約20分と書いてありますが、30分はみておいた方がよろしいかと思います。
では登り始めましょう。
すぐに鳥居が迎えてくれます。
この鳥居、実はとても低いのです。
手が届くので石を簡単に置く事が出来ます。
鳥居をくぐると急斜面が続きます。
はっきり言って道と言える道はありません。
ですが、言い方を変えれば、登りやすいところを選んで尾根を目指せばいいだけです。
道がわからないと悩むことはありません。
気楽に上へ上へと目指しましょう。
この樫の古木を過ぎ、岩塊を越えれば、大きなヒノキが屹立する尾根にたどり着きます。
そこからは石鎚山が良く見えます。
あいにく春の霞で撮影出来ませんでしたが。
尾根に登ることさえ出来ればあとは神社まで一直線です。
さあ、ついに神社にたどり着きました。
お神酒がお供えしてあります。
田滝の人達がお参りしてお仕えされているのでしょう。
田滝の人達は信仰心が篤く、神仏を大切にされると共に、伝統を守り受け継いでいるという印象を受けます。
この黒滝の神様は石鎚山の神様の妹だそうです。
ある時、黒滝様と石鎚様が石の投げあいをしました。
黒滝様の投げた石は石鎚山にしっかり届きましたが、石鎚様の投げた石はここまで届かず、途中で落ちてしまいました。
それ以来兄妹の仲が悪くなり、黒滝神社の役に就いた人は、石鎚山にお参りしないそうです。
鎖を登っている時に放り投げられるからとか。
参拝者奉名帳が置いてありました。
昭和59年から始まっています。
そんな帳面も残すところ最後の一枚だけでした。
田滝は井戸を掘っても水が出ない土地なので、昔から水で苦労してきたそうです。
そこでこの黒滝神社で行われる雨乞いが大変重要な意味を持っていました。
田滝にはお簾(れん)踊りという特別な舞が受け継がれています。
この踊りは神社に篭って雨乞いをする時に舞われるもので、ある年の雨乞いの時、神前の御簾が動いて大雨が降ったことに由来します。
今は小学校で行われる田滝の盆踊りで老若男女踊っているそうですよ。
以上、田滝の黒滝神社でした。
長い記事になりましたが、最後までご覧くださりありがとうございました。